大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和39(あ)617 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人表権七の上告趣意第一点について。

所論は、刑訴三二一条一項二号但書の書面として採用された検察官調書が同条項

にいう特信性を欠くものであると非難し、これを証拠として事実を認定したことは

刑訴三一七条に違反し、ひいては憲法三一条に違反するものであると主張するが、

刑訴三二一条一項二号但書の規定は、いわゆる特信性の有無は事実審裁判所の裁量

にまかされている趣旨であると解すべきである(昭和二六年(あ)第一一一一号、

同年一一月一五日第一小法廷判決、刑集五巻一二号二三九三頁参照)から、この点

の非難を前提とするその余の主張は、すべて前提を欠き、適法な上告理由に当らな

い(検察官に対するAの供述調書が任意性を欠くと認むべき資料は見当らない。)

同第二点について。

所論は、憲法三八条違反を主張するけれども、検察官に対する被告人の供述調書

が任意性を欠くと認むべき資料は見当らず、また自白と補強証拠と相俟つて事実の

認定がなされたものであることは記録に徴し明らかであるから、所論違憲の主張は

その前提を欠き、適法な上告理由に当らない。

同第三点について。

所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三九年七月二一日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 柏 原 語 六

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 田 中 二 郎

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